外国使節の道を辿るコース
朱雀大路=大宰府の中軸線にそって、南北に歩くコースです。
外国からの使節団が滞在した客館跡から、政庁跡のあいだをたどります。
できれば観世音寺まで足をのばして、外国との交流を体感しましょう。
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客館跡
「外交」は本来、朝廷が京に外国使節を迎えて行うものですが、「大宰府」でも、朝廷の使者が派遣され、外交・饗宴(宴会)・交易が行われました。
「客館(鴻臚館)」は外国使節が滞在する施設です。
大宰府から15kmほど離れた博多湾岸にあった筑紫館(鴻臚館)という古代客館が有名ですが、大宰府の都市(大宰府条坊)にも古代客館があったことが遺跡調査で確認されました。
当時の東アジアの都が朱雀大路(中央南北大路)沿いに客館を置いたように、政庁からのびる朱雀大路沿いに置かれていました。
外交が盛んだった8世紀から9世紀前半の客館で、遺跡調査では、巨大な建物跡や、唐・新羅・日本を代表する高級食器が揃って見つかりました。唐ではじまった喫茶に使う茶椀や道具も見つかっており、日本のおもてなしの原点をうかがうことができます。 -
榎社
古代都市・大宰府条坊のほぼ中心部、政庁からのびる朱雀大路がこの東を通っていました。
ここは都から赴任してきた官人の官舎「南館」跡で、901年に大宰府に左遷され903年に亡くなった菅原道真が住んだことで知られています。
榎社は、もとは「榎寺」と呼ばれていました。1023年、道真の霊を弔うため、大弐(大宰府の次官)藤原惟憲がここに浄妙院を建てたのが始まりです。境内に榎の大木があったため、いつしか榎寺と呼ばれるようになったと言われています。
境内中央の建物は「御旅所」と呼ばれ、毎年9月の神幸式大祭で天満宮から下ってくる、道真の御霊が一晩泊まる建物です。この後ろに、配所の道真を慰めるため、松の葉に麹を持って差し上げるなど、なにくれとなく世話をしたと伝えられる浄妙尼を祀る「浄妙尼祠」、そして道真が連れてきた幼子の一人・紅姫の供養塔があります。 -
朱雀門礎石
ここは、政庁南門から真南へ230mの地点です。 前を流れる御笠川の川底から、1982年に柱をすえる円座をもつ古代の礎石が発見されました。重さ7.5tもあり、上流から流されてきたような痕跡もないことから、もとの場所からあまり動いていないと考えられます。このことから、この付近に政庁・官庁へ入るための南の正門「朱雀門」があったと考えられています。
この南には、政庁に至る大道「朱雀大路」がありました。路面幅は約36m(120尺、8世紀)あり、奈良・平城京の朱雀大路(約75m)に次ぐ広さがありました。この広さは、外国使節などを迎える儀礼の場の意味もあったと考えられます。朱雀大路沿いには、都から赴任した官人が住まう「館」や、外国使節が滞在する「客館」が並んでいました。その先、街の南には「次田の湯」(現在の二日市温泉)もあり、官人や僧が入湯したという記録もあります。
朱雀大路の両側には、一区画は約90m四方の碁盤目の街・大宰府条坊が広がっていました。南北22区画(条)、東西20区画(坊)あり、約2km四方の広さがありました。
街の姿はずいぶん変わってしまいましたが、碁盤の目となっていた区画の痕跡を、ところどころに見ることができます。 -
大宰府政庁跡
大宰府政庁は、大宰府の中心的な場所です。ここは、都の宮殿と同じような構造となっています。
南から階段を上がると「南門跡」です。中は塀で囲われた空間でした。ここを進むと「中門跡」です。さらに進むと、中門からのびる回廊で囲われた広い庭(空間)に入ります。ここで政務や儀礼が行われ、ときには外交儀礼も行われたと考えられます。
正面(北の中央)の高くなったところが「正殿跡」です。庭の東西には2棟づつ「脇殿跡」があります。正殿の背後に「後殿跡」があります。ここが大宰府の長官が執務した場所とみられます。
次に、政庁跡の周囲を見てみましょう。
北の山上に「大野城」、南正面の山上に「基肄城」があります。665年に築かれた山城で、大宰府「西の都」の外郭を守っています。
東は「月山(つきやま)」丘陵で、「漏刻台」すなわち水時計が置かれ、時を告げたと伝えられています。
西は「蔵司」丘陵で、巨大な礎石建物跡が残っています。
南は官庁域です。その先は朱雀門から朱雀大路(南北大路)がのび、古代の街が広がっていました。 -
大宰府展示館
遺跡調査で見つかった遺構を保存・公開している施設です。太宰府の歴史紹介や出土品の展示も行っています。
大宰府政庁などの復元模型、博多人形師による「梅花の宴」ジオラマ、古代食復元など見どころ満載!
市内を案内する史跡解説員ボランティアも歴史があり充実しています。
無料 / 9:00~16:30
お知らせ: 令和元年(2019年)7月2日(火)より、有料となります。
大人200円 高校・大学生100円
無料: 中学生以下
学校教育活動および引率者
障害者福祉法等に基づく手帳交付を受けた方及び介護者
休館 月曜・年末年始(12月28日~1月4日)
※月曜日が祝日・振替休日の場合は翌日休館
TEL 092-922-7811
URL http://www.kotodazaifu.net/index.html大宰府展示館
遺跡調査で見つかった遺構を保存・公開している施設です。太宰府の歴史紹介や出土品の展示も行っています。
大宰府政庁などの復元模型、博多人形師による「梅花の宴」ジオラマ、古代食復元など見どころ満載!
市内を案内する史跡解説員ボランティアも歴史があり充実しています。
無料 / 9:00~16:30
お知らせ: 令和元年(2019年)7月2日(火)より、有料となります。
大人200円 高校・大学生100円
無料: 中学生以下
学校教育活動および引率者
障害者福祉法等に基づく手帳交付を受けた方及び介護者
休館 月曜・年末年始(12月28日~1月4日)
※月曜日が祝日・振替休日の場合は翌日休館
TEL 092-922-7811
URL http://www.kotodazaifu.net/index.html詳細へ -
観世音寺
百済(古代朝鮮三国の一つ)は日本と交流が深かった国でしたが、660年に滅亡しました。その復興救援に向かった斉明天皇は、661年、筑紫(福岡)で亡くなります。その供養のため、子の天智天皇が発願した寺院が、観世音寺です。
創建は7世紀後半ですが、その完成には80年あまりの歳月が流れ、746年に伽藍完成の供養が行われました。761年には、僧に授戒をする「戒壇院」も設けられています。
観世音寺は「府の大寺」とよばれ、西海道(九州)の仏教寺院の頂点となる大寺院でした。ここに集まった先進文化の数々を、今も見ることができます。