正面向かって右の樹木の間に、巨石が見えます。これが五重塔の跡です。
塔の心柱をすえた礎石(塔心礎)を中心に、いくつかの礎石が浮いたようにして点在しています。
? かつてここに、約15m四方(50尺四方)の基壇がありました。その中心にあった塔心礎が残っていますが、柱座の直径は90cmもある巨大なものです。塔心礎の北西に、基壇の端に並べた地覆石が残っています。
905年の記録から、五重塔で、初層の四面に扉があり、風鐸(ふうたく)などで荘厳されていたことがわかります。残されている礎石の状況から高さ約40mほどの塔だったと考えられています。