ここが菅原道真が埋葬され、祀られている本殿です(国の重要文化財)。
檜皮葺き(ひわだぶき)、漆塗り(うるしぬり)の豪華な建物で、1591年、筑前国を治めた小早川隆景が、豊臣秀吉の命により再建したと伝えられています。
本殿は、柱間が五間で、「流造」(ながれづくり)という正面の屋根が長く曲線を描く構造をしています。正面中心の「向拝」(こうはい。賽銭箱が置かれているところ)は、「唐破風」(からはふ)とよばれる屋根装飾があり、目を引きます。建物の左右側面にも、牛車などを寄せるための「車寄せ」があり、ここの屋根も唐破風造となっています。ここから「廻廊」(かいろう)が楼門までめぐっています。
本殿が建てられた時代の建築様式を、桃山様式といいます。その特徴の一つに欄間(らんま)があります。これは天井と鴨居(かもい)の間にあって、風通しや採光のために設けられるものですが、ここに豪華な彫刻を施すのが桃山様式の特徴とされます。本殿正面の欄間(らんま)では、牡丹や鯉などの彫刻を見ることができます。