妹が見し 楝(あふち)の花は 散りぬべし わが泣く涙 いまだ干なくに(巻5-798) 作者: 山上憶良(やまのうえ の おくら) 訳: 妻が見た楝(せんだん)の花は、きっと散ってしまうだろう。妻を亡くした悲しみの涙がまだ消えないうちに。 備考: 妻を亡くした大宰府の長官(帥)・大伴旅人になり代わり、作者がその悲しみを詠んだ歌の一つです。 作者は、遣唐使の経験もある人物で、このとき筑前国の長官(守)でした。