大野山 霧立ち渡る わが嘆く 息嘯(おきそ)の風に 霧立ちわたる(巻5-799)
作者: 山上憶良(やまのうえ の おくら)
訳: 大野山に霧が立ち渡っている。私が亡き妻を想って吐く深い深い溜息で霧が立ちわたっている。
備考: 妻を亡くした大宰府の長官(帥)・大伴旅人になり代わり、作者がその悲しみを詠んだものです。
嘆きのため息を、大野城が置かれた山の霧になぞらえています。
作者が長官(守)をつとめた筑前国府は、この付近にあったとの説があり、ここから見る大野城の風景が詠まれたのかもしれません。