梅の花 散らくはいづく しかすがに この城の山に 雪は降りつつ(巻5-823) 作者: 伴氏百代(ばんし の ももよ) 訳: 梅の花が散るというのはどこであろう。それはそれとして、この城の山には雪が降りつづいている。梅の花とは雪だったのか。 備考: 天平2年(730)、大宰府の長官(帥)の大伴旅人の官邸で催された「梅花の宴」で詠まれた和歌です。 作者、すなわち大伴百代(おおとも の ももよ)は、このとき大宰府の三等官(大監)でした。「城の山」は、山城が置かれた山を指します。