菅原道真は、梅の花をたいへん愛でたことで知られています。
901年、平安京から大宰府へ左遷される日、自邸・紅梅殿の梅に和歌を一句詠みかけました。
「東風(こち)ふかば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」
(東風が吹き春がきたら、香しい匂いの花を咲かせておくれ、梅の木よ。主人が都から遠く離れた大宰府に行ったからといって、春の訪れを忘れるなよ。)
すると梅が道真を慕い、京から大宰府へ飛んできました。これが「飛梅」(とびうめ)です。
のちに飛梅は、太宰府天満宮本殿脇に植えかえられますが、もとの場所にはその実が植えられました。これが「通古賀の飛梅」の由来で、道真の配所とされる榎社の近くにあります。